「ピオーネ」ブドウといえば、
大粒で黒々とした色合いは、まさに「黒い真珠」。
上品な甘さは1度食べ始めると止まらない美味しさがあります。
この記事では、
- ピオーネがもっとも美味しいくなる時期はいつ?
- スーパーで選ぶ時に美味しいピオーネを選ぶポイントは?
- ピオーネをギフトとして贈るのは、有りor無し
- 始めは「ピオーネ」ではなかった呼び名 などなど
そんなピオーネについて、プロの青果店が徹底解説します!
ピオーネデータ
- 血統/ 巨峰×カノンホール・マスカット
- 意味/ ピオーネ=開拓者(イタリア語)
- 誕生/ 1957年
- 時期/ 6月~10月
- 旬/ 7月~9月
- 値段/ やや高め
- 主な産地/ 岡山県・山梨県・香川県
- 皮/ 食べにくい△
- 種/ あり ※種なし品種あり
- ブドウ品種別全国栽培ランキング/ 2位
- ピオーネを親に持つ品種/ 藤稔、ブラックビート、翠峰など
ピオーネとは
「巨峰」×「カノンホール・マスカット」を交配させ誕生したピオーネ。
大粒系と大粒系の掛け合わせなので、巨峰よりも大きく育ちます。
また甘さの中にも上品な香りと柔らかな酸味は、マスカットからなる味でしょうか。
栽培時は少し病気に弱い品種ですが、収穫してからの日持ちは良く、粒も取れにくいので贈答品としても昔から人気があります。
誕生は1957年。
巨峰と同じく国内では長い歴史のある品種。
巨峰よりピオーネが好き!と言う方も多いのではないでしょうか?
ピオーネの生みの親 井川秀雄さん
ピオーネの生みの親である、井川秀雄さん。
実は30歳の頃、巨峰の生みの親である、大井上さんの大井上理農学研究所で交配の技術を教えてもらい、井川さんの息子さんは大井上理農学研究所へ入所しています。
この井川秀雄さん、凄い方で、生涯を通じ1000品種以上のブドウを育成。
そのうち名前を付けて世に出しただけでも30種程あり、日本のブドウ作りに多大に貢献された方です。
(1000種作って30種余りしか出せないって所もブドウ栽培の難しさが伺えます。)
始めは「ピオーネ」ではなかった呼び名
始めからピオーネと名付けられた訳ではありませんでした。
富士山の麓にある、愛鷹山より「アシタカ」と名付けられましたが、「ブドウの名前にするには、あまりにも地方的すぎる」と言う理由から、英語で開拓者や先駆者の意味を持つ「パイオニア」へ。
そして同じ意味を持つイタリア語の「ピオーネ」へと改名しました。
ピオーネはイタリア語だったのですね~。
ピオーネの旬
早いと5月頃から出荷が開始され、10月まで食べる事ができます。
ただ、5月や10月の初めとと終わり頃は、着色が悪くなりがちで、秀品等級が少なめです。
➡果物の等級・ランクを解説 秀 優って?【スーパーでも使える豆知識】
もっとも味が乗るのは、7月~9月頃。
黒々とした色に粒も大きく、甘さも◎
まさに「黒い真珠」に相応しい呼び名です。
巨峰と同じく、
- 御中元
- 暑中見舞い
- 残暑見舞い
など、贈り物を用意する機会が多い時期なので、贈答品としても最適です。
巨峰とピオーネの食べ比べ、なんかも喜ばれそうです。
種なし品種名は【ニューピオーネ】
ブドウは種なしがいい!
種のないブドウは、お子様からご高齢の方はまで食べやすくて良いです。
そんな方は「ニューピオーネ」を選んでください。
ピオーネは種が「ある」「なし」で呼び名を別けています。
種ありは「ピオーネ」
種なしは「ニューピオーネ」で販売されます。
種のあるなしを別けるのは、栽培初期の頃に【ジベレリン処理】を行う為。
作業工程が多くなる為「ニューピオーネ」の方が値段は高めな傾向にあります。
美味しいピオーネの選び方
- 茎が太く緑色のもの(鮮度が落ちると茶色に変色していく)
- 黒ブドウは黒色に近く濃い紫色をしているもの
- 赤ブドウは濃い赤色をしているもの
- 緑ブドウは鮮やかな黄緑色をしているもの
- 実に張りがあり、粒がおおむね揃っている
- 白い粉(ブルーム)が付いているものはより新鮮
果物を選ぶのはなんだか難しい・・・
そう思われる方も多いはず。
しかし安心してください!
スーパーなどで購入する時でも、上記の部分を目安にして美味しいブドウをGETしましょう。
特に茎の部分の変色などは分かりやすいのでチェックポイントです。
緑色の茎を見つけて下さい。また粒の表面に付いている白い粉、ブルームと言うのですが、これは残留農薬などではなく自然に付くもの。
逆に、新鮮なブドウにしか付かないので、ここもチェックしやすい所です。
ピオーネの保存方法・食べ方
一本の軸に対してたくさん実っているブドウ、
実は「上部の方が甘みが強い」ことが多いです。なので下部分から食べていくと最後まで甘みを楽しめます。
冷やし過ぎると風味や甘味がぼやけるので、冷やすのは食べる1~2時間前がベストです。
ブドウは時間ともに鮮度が落ちます。なるべく早くに食べて下さい。
保存方法は、上記の理由から1日前後なら冷暗所でも可。
房ごと冷蔵庫にいれてOKです。(野菜室推奨、冷気が直接当たらないように)
その際、両方ともの場合でもビニール袋に入れましょう。
また水洗いは食べる直前で。
表面に付いている白い粉(ブルーム)は水分の蒸発を防ぎ鮮度を保ってくれる超優秀な機能があるので、冷蔵庫で保存する時でも洗わないようにしましょう。
ブドウの栄養素と効能
- ブドウ100gあたりの主な成分
- エネルギー/ 約59kcal
- 鉄/ 0.1mg
- カルシウム/ 6mg
- カリウム/ 130mg
- ビタミンA/ 2μg
- ビタミンC/ 2mg
- ビタミンE/ 0.1mg
- 食物繊維/ 0.5g
- 注目栄養素/ アントシアニン、レスベラトール
- 期待できる効能/ 眼精疲労緩和、夏バテ予防、ガン予防
果肉や果汁に含まれている【ブドウ糖】や【果糖】は、体内に吸収されやすく、素早くエネルギーに変えてくれるので、運動前の摂取や、夏バテの予防、疲労回復に効きます。
部活前の学生さんや、日頃ウォーキングなどで体力作りをされている方など、気温が暑くなる時期に最適です。
ブドウの栄養素でおなじみのポリフェノール、ワインなどでよく聞きますよね?
このポリフェノールにも色々な種類があり、中でもブドウで注目したい2つの成分があります。
【アントシアニン】
活性酸素から体を守ってくれる働きがあるので、血圧の上昇を抑え、肝機能改善、痛風のリスク低減、眼精疲労の緩和等、生活習慣病の予防に最適な成分。
【レスベラトール】
元は、植物自体が紫外線や病気から守る為に作られる成分。細胞の酸化を防ぎ、肌にうるおいを与え、発ガン抑制作用あり。
ただ、この2つの成分は主に「皮に含まれている」ので皮ごと食べれる品種は皮ごとかぶり付きたい所です。
効率よく栄養を取る場合は、皮ごと加工したワインやジャムなどにすると良いです。
ピオーネの産地・収穫量
- 1位・・・岡山県 39%
- 2位・・・山梨県 21%
- 3位・・・長野県 5%
- 4位・・・香川県 5%
- 5位・・・広島県 5%
岡山県と山梨県でシェア率60%あり、この2県で半分以上栽培しています。
全国で一番ピオーネを栽培しているのは岡山県。
よく岡山件産のピオーネを仕入れる事が多いのですが、大粒で黒々とした実は果汁も多く、非常に甘さもあり、抜群に美味しいです。
2位の山梨県、3位の長野県は、全部の品種を含めたブドウの収穫量が1位と2位の県なので、さすがブドウ王国の両県です。
個人的に注目したいのが、4位の香川県。
瀬戸内の温暖な気候で育ったピオーネはとても美味しいです。
香川県産は他の県より若干安く手に入る事もあり、お客さんに喜んでもらえます(^^♪
まとめ
いかがでしたでしょうか?
他のブドウより高級なので、中々手がでにくいかもしれませんが、
1シーズンに1回、
・・・いや、3回は食べたい。笑
御中元シーズンの贈り物にもきっと喜ばれます。
ピオーネについて何か新しい発見がありましたら嬉しく思います!